時間が経つにつれてこの新要領案への対応状況が明らかになってきていますが、予想通り混乱しています。
現時点での問題のある例を以下に示します。
(事例-1)
ある起業者(某県整備局)ではこの新要領案に対応した業務積算基準を改訂しています
この起業者からは(旧)「工損調査等業務積算基準」を廃止して(新)「地盤変動影響調査等業務費積算基準」へと新要領に伴い改訂する旨の資料が出ていますが、積算項目の変更などがほとんどで、調査工数は旧来と何ら変わりなく、上記に示す新要領の内容の変更点については全く反映されていません。各起業者が独自に積算基準を策定する事に問題はありませんが、この新要領案を策定した国交省は下記のようにこの新要領案による作業量を調査していますので、その結果(要領変更に伴う作業量の増加)を反映させた積算基準を策定するべきで、旧来の歩掛工数をそのまま採用することは不適切と考えます。
(事例-2)
「調査費用は新要領案に対応した積算がなされている」との誤解
工事に含まれた調査業務において新調査要領に対応した調査を求められ、調査費用について積算根拠を尋ねたところ「新要領案は2年前から公表されているのだからすでにこの要領に対応した積算基準で費用を計上している」との返答がありました。これは明らかな誤解であり、下記のように平成25年度中にこの新要領案による作業量の調査が行われているので、現在、この結果に基づき業務費積算基準の見直し作業中のはずですので、現在発注されている工事には反映されていないことは明らかです。
「用地調査等業務に係る所要作業時間実態調査の実施について」
http://shikoku.jcca-net.or.jp/info/2012/130227.pdf
予想していたことですが、このように様々な問題が生じています。今後もこの問題について問題提起をして行く予定ですが、早期に新要領案に対応した業務積算基準の公表と、さらには新要領案の見直しを期待致します。
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